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台北 国立故宮博物院展の話 [美術展・博物館]

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伝説の白菜を求めて




るみなー先生「台北 国立故宮博物院の話だ。」
せりあさん「今回は、台湾の至宝、伝説の白菜が来日します。」
るみなー先生「ちなみにもうひとつは角煮な。中華文明がいかに食に寄っているかが象徴されるな。」


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翠玉白菜 -wikiより

せりあさん「これが、伝説の白菜ですか。」
るみなー先生「日本に初公開に当たって、中国共産党政府に接収される恐れもあったりで法律の整備とかも必要になったとかないとか。」
せりあさん「海外の美術品を守る法律とか整備したんですよね。」

るみなー先生「この間も複製の古文書が、なぜか原本になって奪われたとか言いがかりをつけられたので、友好と称して超法規的手段で渡した勢力があっただろう。 しかも結果、友好が進んだかと言われたらそんなことはなく、その政権の政治家が勲章もらっただけという・・・。 諸外国が見たら不安にもなるだろう。」
せりあさん「余計なことを思い出してしまったじゃないですか」

るみなー先生「注意点として、今回の博物展のタイトルも「台北 国立故宮博物館展」だから、NHKとか毎日新聞が共産党に配慮して不評を買ったりとしています。注意が必要だな。」

・・・今の台湾の政治状態も順調とは言えず、いまだに厳しい状態だ。 一部の独裁者が政治を思い思いにするのではなく、国民の幸福のために行動できるようになって欲しいところである。

るみなー先生「国立故宮博物院展に合わせて、中華文明の文化がどう進んでいたか、外交にどういう影響があったかの特番があったが、それに合わせて、解説していきたい。(清王朝での視点で)」

---古代文化財の保護

乾隆帝時代、王朝の正当性は歴史の記録を収集していることが重要とした。
そのため、古代の青銅器を収集したり、玉の記録を大事に持っていたのだ。
taipei2014_02.jpg 西周晩期 散氏盤 taipei2014_01.jpg 玉璽



---朝貢外交における文化財外交

TVでもやっていたが、歴代中国王朝は周辺国を、「中国の徳を慕って」朝貢を行い、これに対して回賜を与えるという形式をとっていた。
朝貢を行う国は、相手国に対して貢物を献上し、朝貢を受けた国は貢物の数倍から数十倍の宝物を下賜する。四夷から朝貢を受けることは皇帝の徳を示し、内外に向けて政権の正統性を誇示できるので、朝貢には莫大な費用がかかるが、朝貢を歓迎してきた。(周辺国が強いまたは珍しい文物がある場合は朝貢をとるが、ない場合は搾取するのは言うまでもない。)

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青花龍文大瓶
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粉彩透彫雲龍文冠架


せりあさん「この辺の磁器とかは、他国の宮殿に展示されていたとか紹介されていましたね。今はないのは略奪されたからでしょうが。 龍の爪の数で使う身分が決められているとギャラリーフェイクで言ってました。」
るみなー先生「こういう磁器の模様でも、国の身分的なものを意図しているんだな。外交とはかくありきか。」

・・・そう思うと、現在のパンダ外交はこの流れを受けている気がする。
パンダ>トキ>>>>レッサーパンダ、見たいな感じで。(その割には生き物は大事にしないんだよな)

---書物・文物の収集

乾隆帝時代の四庫全書。中国の全ての書を集める勅命で編纂された書物で、中国の至宝のひとつ、支那事変時でも戦火を避けるために常に守られてきた大切な書物とTVでやっていた。

文淵閣四庫全書.jpg
四庫全書

るみなー先生「NHKの番組では、中国の徳と文物が中華文明を支えている構図になっているな。」
せりあさん「いちいち、日本がーとか、どこの国の放送局かと」
るみなー先生「それはいつものことだし・・・」


---清王朝の黄昏

清王朝も、近代になると欧米列強の侵略を受けて多くの領土や文化財が失われ植民地化されていく。
その時代に作られたのが件の翠玉白菜だ。
ちなみに四庫全書も阿片戦争や太平天国の乱、アロー戦争などの戦火によって大部分が失われてしまう。
日本は明治維新によって近代化に成功するが、中国では汚職官僚が幅を利かし、贅沢にふけって近代化の活力を失わせてしまったのだ・・・

せりあさん「NHKでは四庫全書とか文化財をあらゆる手段で守り、文化保護に努めたみたいなことを言ってたけど・・・、なんか内容が違うんですが?」
るみなー先生「NHKだからな、台湾には厳しいんだ。
それに中国人は白人の権威に弱く、今日も盧溝橋事件77周年記念とか言う中途半端な時点でも式典をやってたりする。 尤も、中国共産党的には日本と国民党を会戦させた謀略に成功した日なので感慨深いのかもしれない。
ちなみに、中国では阿片付けにされ、戦争に負けて中国人苦力などと半奴隷状態だった過去があるのだが、文句を言うのは日本に対してだけで、英仏米各国には恨みはないらしい。」
せりあさん「日本人の感覚としては、植民地化の魔の手が襲い掛かってくるときに暢気に翡翠磨いている場合じゃない。と思ってしまいますが。それと文句を言うあて先も違うだろうと」
るみなー先生「かといって中国は力があると周辺諸国を恫喝するので、日本や台湾みたいな周辺諸国にとっては翡翠でも磨いてもらっていた方がましなのかもしれない。」





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