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文化庁メディア芸術祭2015の話し -その2 外国な作品 [美術展・博物館]

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今年も文化庁メディア芸術祭が始まりました




るみなー先生「さて、マンガ・アニメ部門の紹介だが、特にアニメにかけては外国勢の躍進が目立つ。 日本のアニメも劣っているわけではないと思うし、むしろ進んでいてほしいと感じる。 それで、もう少し待遇が良くなればとも思うのだが、なかなか難しい。」
せりあさん「日本のアニメは萌えアニメが多いのも原因では?」
るみなー先生「それもあるかもしれんが、待遇が良くないのは円盤買わない人が多くなってるのではとも思う。『円盤反対!』とか言ってほんとに円盤が売れないアニメは置いておくとして、消費税8%は地味に堪える。」

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※The Wound

せりあさん「これはロシアのアニメで、心の傷がテーマとなっている。」

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心の傷(英・wound)に苦しむ少女。その傷が少女の空想の中で、毛むくじゃらの生き物・ウーンドとして誕生する。ウーンドは、彼女の頭の中にすっかり居ついて、段々と存在感を増し、やがてその人生を完全にコントロールするようになるが、少女とウーンドが繰り広げる、悪夢のようでありながらも美しい友情を描いた作品

るみなー先生「こういうのをみてみると、なかなか内面に巣くう系が多いな、共産圏が舞台だと。MONSTERとか。」
せりあさん「それはおいておいて。今回のアニメ部門は、大賞と優秀賞2つ、新人賞2つと半分が外国作品でした。時代の感情とかを舞台にした作品が今年は強かったと思います。」


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ジョバンニの島



せりあさん「日本の作品ですが、2月上映のジョバンニの島です。 ProductionIGの作品で、終戦直後の色丹島が舞台となっています。北海道のはずれなので、戦争も実感していませんでしたが、敗戦後に何故かソ連軍が侵略してきて、島民の財産や生命が脅かされていきます。最初の頃は子供同士で交流があったりもするのですが、否応なしに時代の荒波に飲まれてしまいます。」
るみなー先生「まだ、封切りもしていないので評価は難しいが、なかなか興味深い作品だな。」


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※チャイニーズ・ライフ
普通の中国人は何を考えて生きてきたか『チャイニーズ・ライフ』 -漫棚通信

るみなー先生「マンガ部門では唯一の海外作のチャイニーズライフだ。 近代中国を生きてきた著者のありのままの中国人が見れるぞ。」
せりあさん「あらぶる中国人みたいな話し? 北斗の拳でも代用できそうな?」
るみなー先生「んな訳ないだろう。全3部となっており、青春時代ー青年時代、現在となっている。本編では『父の時代』、『党の時代』、『金の時代』となっているのだが・・・。」

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るみなー先生「第1部は、文化大革命時代の青春時代をすごし、敬愛なる毛沢東主席を崇拝するどこにでもいる中国人なのだが、党員である父が批判されるようになってから生活が一変する。」

公開の集会で教師を糾弾する。「ああ、自らを狂気に委ねることはなんと気持ちの良いことだろう」

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るみなー先生「そして時は過ぎ、先進国となった現代中国の活力が描かれる。 不幸なことに企画のフィリップ氏と対立があったことが明かされる。 六四天安門のことを描いてほしいということだ」
せりあさん「どうなったんです?」

自分は事件のとき国境近くの辺境にいて何も知らない。知り合いで関係した人物もいない。個人的にもあの事件で苦しみを受けたこともない。
中国には秩序と安定が経済発展のためには必要で、その他のことは二次的な問題だという風に、わたし自身は考えている。

私たちの国は、20世紀を通じてあらゆる苦難と屈辱を味わった。侵略、略奪、不平等条約、内部分裂、軍閥間の争い。

私自身も、文化大革命、批判運動、階級闘争、干ばつ、飢饉、電力不足、極貧などを経験し、こうした考えは徐々に強い確信に変わっていった。

もちろん、いろいろな意見があるだろう。経済成長の前に人権が大事だというひともいる。私は、そんな論議は次の世代にまかせればいいと思う。言葉で言い表せないほどの苦しみを味わうことのなくなった世代に。


るみなー先生「・・・という訳で、描かれてはいない、まぁ反体制の作家という訳ではないので仕方ないとはいえるが、このあたりのセリフで中国人の考え方が良くわかる。 興味深いセリフと思うんだ。」
せりあさん「力による世界秩序の変更が成されれば話は変わるでしょうが、そもそも人権と法が機能していないと西欧諸国は近代国家と決して認めないのですがね・・・」
るみなー先生「公のために個人の人権が制限されうるのは事実だが、それには公正あれと思うんだ。」

るみなー先生「なかなか微妙な考え方だが、中国にとっての正しい道はわからないからな。とはいえ、中国人のことが良くわかる一書だと思う。」

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※五色の舟
るみなー先生「これも異色作だな。 太平洋戦争末期、見世物小屋の一座として糊口をしのぐ異形の者たちの哀切な運命が描かれる作品だが、要するに不具者なんだな。 時代が悪いとは言えなかなか深い作品だ。(実はこの時代のサーカスとか自主規制だったりするのだが)
せりあさん「その時代を生きていくのは大変ですが、希望を持ちながら旅をするのは評価できます。」


文化庁メディア芸術祭 2015
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    文化庁メディア芸術祭2015の話し [美術展・博物館]

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    今年も文化庁メディア芸術祭が始まりました




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    るみなー先生「今回は恒例の文化庁メディア芸術祭の話だ。今年も色々なエンターテイメント作品が集まった。」
    せりあさん「ではみて見ましょう。 まずはアート・エンタメ部門ですね」

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    ※3RD
    るみなー先生「これは鳥のように俯瞰的に世界を体験できるという作品だ。体験型のものも増えていっているな」

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    handiii
    せりあさん「節電義手なのですが、受賞作品としては3Dプリンタとスマホで簡単かつ安価に作成できること。新たな試みのひとつとしてのデザイン性や機能拡張ができる点です。医療用にも以前からありましたが、ファッション性やSFチックな遊びもできそうなイメージから注目が集まります。」

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    センシング・ストリームズ―不可視、不可聴
    るみなー先生「これは人が知覚できない、電磁波を映像と音に集約するエンターテイメントだ。坂本龍一+真鍋大度という大物で作ったというのも大きいが、個人的に汎用化と音の表現をリズミカルな音楽的な何かに変化できれば、また新しい発想ができるのではないかと思ったりもする。」

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    Drone Survival Guide
    るみなー先生「これは、現代の監視社会へのアンチテーゼに、各国のドローンから身を守るためのサバイバルガイドだ。 半分ジョークねたとしか思えない。日本では山本太郎のなかまたち位しか使わないのではないだろうか」
    せりあさん「その辺は置いておくとして、まぁ何でもサバイバル的なのは面白いかも。」

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